超メモ

Lancersを拠点に活動する新卒フリーランスが書き残す備忘録や働き方のまとめなど。

文系フリーランスが月収60万に至るまでの過程

f:id:oxword:20210525184551j:plain

我ながら一時期はどうなることかと思った新卒フリーランスによる社会人生活だが、3年目を迎えるにあたって振り返ってみれば、幸いなことに決して悪くない成果を得られている。

当初想定していたマイルストーンは5年で年収1,000万、つまり月収換算で82万円ほどをコンスタントに得られるようにするのが目標だったので、60万という数字を2021年の時点で達成できているのは喜びたいところだ。

ただ、この数字に到達するにあたり、個人事業主で、今の業態で無理なく発揮できるパフォーマンスについても限界が見え始めている。

現状の問題を振り返るという意味でも、ここで新卒から今に至るまでの道程を少し振り返ってみたい。

新卒から60万円達成にかかった年数=丸2年

まず、60万円に到達したのはフリーランス3年目、つまり新卒から丸2年が経過した段階である。

月収60万円で単純計算すると、年収は720万となるのだが、この数字は20代半ばの収入としては悪くないどころか、上位数%にも分類されかねないクラスの所得帯だろう。

もちろん、会社員とは異なり収入を維持するための工夫が必要となるだけでなく、さらに上を目指すとなると新しいプランを検討しなければならない。

ただ、それでもこの年齢でこの収入にタッチできたのは、自分にとって大きな自信につながった気がしている。

 

1年目の収入について

ここから、年ごとの収入の動向について簡単に振り返る。

まず1年目の収入についてだが、初年度はとにかくお金がなかった。当時は実家住まいだったとはいえ、家賃がわりに月5万円を家に納めていたこともあり、大した貯金もできていない。

何しろ、人生で初めて学校に行かない毎日を過ごすことになったものだから、どのように時間を使って良いのかわからない節もあった。

月収としては、平均して20万程度のものだっただろう。ただ、年末が近づくにつれお金を効率よく稼ぐ方法もわかってきたこともあり、収入は25万、30万と着実に増えていった。

年末年始には初めて月収40万円に到達し、右肩上がりの収入に心を躍らせていた。

2年目の収入について

2年目の年、つまり2020年の前半は、非常に苦しい時間を過ごしていた。新型コロナウイルスの影響により、多くの企業が活動を停止していたことで、必然的に収入も目減りしていった。

4月ごろは月収が15万円程度にまで落ち込むなど、その影響は甚大だったことが印象に残っている。

Webコンテンツなどは真っ先にカットされやすいプロジェクトであるため、予算削減の煽りがクリティカルヒットしていたのだ。

ただ、コロナ騒動も夏頃には落ち着き、企業もこれまで通りの営業を開始。それに伴い発注案件も再び増加し、秋ごろには前年以上の売り上げを記録していたのである。

もちろん、コロナ騒動が収束するのを黙って見ていたわけではなく、自分が新規案件の獲得に積極的だったことも、早期の回復を達成できた理由として挙げられる。

逆にいうと、コロナがなければ今のような積極性やリスクに対する意識が得られなかったことから、早期の段階で大きなピンチを体験できたのは良い勉強になったのかもしれない。

そして年は明けて3年目の春、ついに収入は60万円に到達したという運びである。

収益拡大のポイント

収益を拡大していくにあたり、ポイントとして大きかったのが以下の3点である。

経験の蓄積

一つは、単純に自分のライティング技術の向上である。

丁寧な文章を書けるようになったのはもちろんだが、以前よりも遥かに速いスピードで高品質を維持できるようになったことで、単価を下げることなくより多くの仕事を受けられるようになった。

案件ごとの特徴を自分の中で整理し、満足度を高めながら素早く仕上げるためにはどうするか、ということを念頭に仕事へ向き合ったことで、ノウハウのインプットとアウトプットを繰り返し、経験の蓄積を作れたのである。

作業効率化

経験に蓄積が生まれたことで、ライティングだけでなく周辺ツールの扱いにも慣れ、素早く雑務をこなせるようになったことも大きい。

チャットツールの運用や請求書の作成、メール作成など、テンプレート的に対応できることで、報酬の発生する業務へリソースをさけるようになった。

これによって、余暇の時間も増え、精神的な負担も小さく抑えられている。

継続的な新規顧客の獲得

収入だけでなく、メンタル面でも大きな支えとなっているのが、新規顧客の獲得だ。

コロナ禍において最も頭を悩ませたのが、既存顧客の消滅である。クラウドで発注する業務というのはその企業にとってコア業務である可能性は低く、継続的な契約の保証もないため、ある日突然案件が終了するケースは少なくない。

コロナの影響で企業活動が危うくなった場合、このての業務はいの一番に削減されてしまうので、前述の通り発注が激減していたのである。

ある日突然仕事がなくなる恐怖は形容し難い絶望感があるが、幸い今の時代はインターネットで顧客発掘を行える。新規顧客を継続的に発掘し続けることが、リスク管理の一環であり、収入アップの一歩であり、精神に安寧を与えてくれるのだ。

今後の展望

さらなる売り上げの確保するにあたり、心がけておきたいのが以下の3つである。

現状の課題について

上記でも少し触れたが、月収60万円に到達したことは嬉しく思う一方で、自分一人の力の限界についても思い知らされる数値である。

月あたり60万円を稼ぐ場合、週に20日働くとして、1日あたり3万円の収入が必要になる。

自分一人で1日あたり3万円の収入を維持することは、実はかなりの負担と運を伴う数字である。

個人的にも、1日3万円が今の自分が稼げる最大値であると肌で感じている。

これについては次回以降詳しく述べる予定だが、ともかく今の収入を維持、あるいはさらに増加させる場合、新しい打ち手を必要とする段階に来ているのだ。

事業拡大に向けた人材確保

このような課題を解消するにあたり、まず進めていかなければいけないのが人材の確保である。

現状は個人事業主であるため、業務委託という形で下請けとなるライターを探す必要があるが、バイト感覚で働いてくれる後輩・大学生を募っているところだ。

今のところ感触としては悪くなく、今後2~3人を継続的に抱えられるように慣れば、月収80万円も夢ではない。

マネジメントの基礎は心得ているつもりだが、実戦経験は浅いため、今後は現場でそのスキルも養いたいところだ。

法人化

もう一つやっておきたいことが、法人化である。今すぐにやるべきことではないが、今後事業を大きくしていくのであれば、この手続きは免れないだろう。

法人化の魅力はもちろん節税にあるのだが、フリーランスを3年目に突入すると、何かと自分のステータスに不便することもある。

例え個人事業主に毛が生えた程度の社長でも、法人化によってステータスを高めることは、コミュニケーションの場において大きな味方になると考えている。

新しい顧客の獲得や、ビジネスパートナーの獲得、さらには優秀な人材の確保においても都合が良くなり、盤石な体制を整えるのに役立つはずだ。

 

おわりに

この2年をふりかえってみると、立ち回りが大人びてきたというか、意図せずとも野心的な振る舞いが目立つようになってきたのではないかと思う。

「世の中金だ」と断言する気はない(そんなことを断言する人間にはなりたくない)ものの、コロナショックで経た困窮は、自分の商売に対する姿勢をどこか前向きにさせたと感じる。

あれほどのピンチに陥ることは今後そうこないかもしれないが、注意深く、それでいて野心的に振舞うことの大切さを学べた期間だったかもしれない。

正直、月収は60万もあれば個人的には満足なのだが、これを維持するためには成長するしかない、というジレンマも抱えている。

坊主丸儲けな商売である以上、成長によるリスクは大して無いので、わざわざ遠慮することはないなと思い、今後も精進していきたい。